楽天グループTech Communityでのインターン
STEM分野で活躍する女性の比率が国際的にみても低い日本において 女子学生のキャリア選択を広げることを目的として、楽天グループでは、テックキャリアを知るためのエンジニア職インターンシップの機会を提供されています。2024年秋、楽天グループの社員の方々に小平キャンパスにお越しいただき実施した説明会がきっかけとなり、本学学生の長期インターンシップへのチャレンジにつながりました。
楽天グループのテック部門でおよそ半年にわたるインターンシップを経験させていただいた総合政策学部松崎円さんに、どのような学びがあったか、今後の展望などをインタビューしました!
インターンに応募しようと思った理由、きっかけは何ですか。
IT企業のプロジェクトマネジメント(PM)における実際の業務内容に関心があり、加えてグローバルな環境での実務経験を通じて自身の能力を向上させたいと考え、このインターンシップに応募しました。
インターンでやりがいを感じたこと、達成感を感じたことはどんなことですか。
定期的な会議においてファシリテーターを担当させていただき、当初は英語での技術的な会話についていくことができませんでしたが、回数を重ねるごとに英語でのファシリテーション能力が向上していく過程に大きなやりがいを感じました。具体的には、会議内容について不明点を解消するため、事前に情報収集を行い、資料の読み込みや関係者への確認を通じて疑問点をクリアにしました。会議中も、分からない内容があればその場で積極的に質問し、曖昧な状態をなくすよう努めたことで、スムーズな進行に貢献できるようになりました。このような改善策は会議後にメンターの坂本尚子さん(本学卒業生)よりフィードバックをいただいた内容であり、反省点を次回に活かすことができました。また、メンターのPM補佐として実際のプロジェクトに参画し、エンジニアの方々へのタスクの割り振りやバグの早期発見を通じてプロジェクトの推進に貢献できた際に、達成感を覚えました。
インターンで一番印象に残っていることは何ですか。
最も印象に残っているのは「報連相(報告・連絡・相談)の重要性」で、プロジェクトマネージャーとしてだけでなく社会人として円滑に業務を進める上で常に意識すべき点であると強く認識し、実務を通して正確かつ効果的な報連相を行うためのコミュニケーション能力を実践的に身につけることができました。報連相は、プロジェクトの進捗管理から日々のPC管理に至るまで、あらゆる場面で不可欠でした。例えば、プロジェクトの進捗を正確に報告・共有することで、チーム全体が多角的な視点を得て迅速な意思決定につながったり、日常的な連絡・相談を通じてセキュリティ徹底に繋がったりと、情報共有が組織全体の効率と安全性に直結していることを肌で感じました。
インターンで苦労したこと、大変だったことはどんなことですか。
インターンシップ開始当初、社員の方々との英語でのコミュニケーションにおいて、焦りから言葉が出てこなくなる経験があり、英語での業務環境に慣れるまでに時間を要しました。この課題に対し、私は書店でIT英語の専門書を購入し、自宅や電車でひたすらシミュレーション練習を重ねました。また、社員の方々と積極的にコミュニケーションを取る機会を増やすことで、実践的な慣れを養いました。
そして、PMではプロジェクトの状況を正確に把握することが不可欠でありながら、情報量が膨大で更新速度も速いため、常に最新の状況に追随していくことに大変さを感じました。この点については、メンターから「自分の中で把握する情報にプライオリティをつけること、何がどこまでクリアで何がそうでないのかを明確にした上で情報をとりにいくこと」が重要だとフィードバックをいただき、これらを実践することで情報の整理と追随が改善されました。
先輩から学んだこと、今後について
メンターの坂本さん(本学卒業生)からは、どのようなことを学びましたか?
メンター制度があったことで、何よりも「安心感」を得られたことが最大の利点だと感じました。具体的には、業務で困難に直面した際や日々の不安要素について、定期的に設定された1on1ミーティングやそれ以外のタイミングでも気軽に相談できる環境があったため、安心して業務に取り組むことができました。また、坂本さんからは多くのことを学ばせていただきました。特に、タスクに着手する際、すぐに手を動かすのではなく、まずその進め方を考慮してから行動に移すことで、的確かつ効率的に業務を遂行する姿勢を学ばせていただきました。
大学で学んだことは生かされましたか
大学の講義や課題で培った「仮説を立てて情報に向き合い、その結果を考察する」という思考プロセスは、業務においても汎用的に活用できるものであり、さらにプログラミングに関する講義で習得した知識は、エンジニアの方々の業務内容を理解する上で役立ちました。
インターンの経験を経て、これから留学先と大学で何を学びたいですか
2025年秋から、留学先のオーストリアではインフォマティクス(情報学)分野でAIやプログラミングを学ぶ予定です。今回のインターンシップで実際の開発プロセスやAI導入の現場に触れる機会を得たため、留学先では、インターンでの業務経験も照らし合わせながら、特にAI開発、AI導入、およびPMに関する専門的な知識と技術をより深く学習していきたいと考えています。
これからインターンに挑戦する人へ
長期インターンシップは、実際の企業文化や業務内容を深く理解する上で非常に有意義な機会であるだけでなく、新しい環境に飛び込むことで自分の課題が浮き彫りになり、自己分析が自然と進んだと感じています。困難な局面も経験しましたが、私にとっては自身の強みや弱みを認識し、大きく成長できる貴重な経験となりました。これから挑戦する方にとっても、長期インターンシップがかけがえのない経験・財産となることを願っています!
松崎さんのメンターとして伴走して下さった本学卒業生社員、坂本尚子さんにもインタビューさせていただきました。