津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

国際関係学科3年 山木 実穂

海外インターンへの応募という大きな挑戦

幼少期から漠然と国際協力に携わりたいと思い続け、本学の国際関係学科に進学しました。しかし学びを深めるうちに、自分が問題視する世界の現状に対して、自分には何ができてどうアプローチしていけば良いのかがどんどん不明瞭になっていきました。そんな悩みが強くなっていった大学2年生の秋に見つけたのが、この「国際労働財団(JILAF)でのインターンシッププログラム」でした。私はこの募集を知ってすぐに応募することを決めました。異国の地に飛び込む恐怖や不安以上に、「挑戦したい。その先にあるものを知りたい。」という強い思いが先に生まれたからです。悩んで、悩んで進むべき道がわからない時は挑戦してみる。これが、臆病な私の大きな一歩でした。

諦めることが失敗

このインターンシップに参加するまでの私はとても臆病な人間でした。何に挑戦するにも失敗を恐れて、ぐるぐると悩み、前に進めなくなることが多くありました。しかし、インターンシップが始まってからの私は「ここまできたからにはもうやれる最大限やってみよう」という気持ちでチャレンジを続けました。それはひとえに周囲の方々からの言葉が、私を支えてくれたからです。「失敗してもまたスタートに戻るだけ。失敗していいから挑戦することが大事。やってみたいって思ったら、それはもうあなたは挑戦ができるということ。失敗が怖いっていうけど、諦めることが失敗なんだよ。」 タイで出会った皆さんからたくさんの後押しの言葉をいただきました。その言葉一つ一つが、私に勇気をくれました。インターンシップ期間中、たくさんの事に挑戦したからこそ得られたものは数えきれないほどあります。素敵な出会い、新たな学びの場、第二の故郷ともいえる大好きなタイという国です。私にとってタイでの出会いは自分を変えるきっかけをくれた大切なものです。

日本の常識は世界の非常識

もう一つ、私の世界の捉え方を変えてくれた大切な言葉があります。「日本の常識は世界の非常識。」この言葉は、インターンシップ初日、JILAFタイ事務所の所長からおくられたものでした。そんな当たり前の言葉が、なぜか私の心に深く響き、妙に引っかかりました。目まぐるしく変わる忙しい40日間のインターンシップを終える頃には、この言葉が単なる常套句ではなく、確かな経験に裏打ちされた実感として、私の中に深く刻まれていました。 人との接し方、物事の捉え方、多岐に渡る価値観など、資料やインターネットからは読み取れない、実際に生活して関わってこそ見える「タイの常識」がたくさんありました。毎日、今まで考えもせずに当たり前だと考えてきたことが崩れていく気がしました。でもそれが私にとっては嬉しく、ワクワクするものでした。常識や当たり前は、育った環境や性格、その時の心情によってさえ変化します。それを自分の思う当たり前の世界から離れて体感することができたことは、私の人生に厚みを与えてくれました。

待ち続けた現場訪問

インターンシップが始まって間もないころ、バンコク郊外にあるスラムを初めて訪問しました。車を降りた瞬間の強烈なゴミの匂いと、足元も覚束ない不安定な道に、強い衝撃を受けるとともに、これまで自分が抱いていたイメージと実際の現場との乖離を知り、現場を直接目で見ることの重要性を強く感じました。実際に子どもたちの笑顔を見て、コミュニケーションをとれたことで、将来は現場で、そこに住む人と直接的な信頼関係を築きながら、共に生活改善のために活動したいという強い思いを確信することができました。

スラムのゴミの仕分け場(ゴミの仕分けで収入を得て生活している)

スラムの子どもたち(JILAFが現地のNGOとの協力で行っている移動図書館)

挑戦すること

最後に、インターンシップを通じた最も大きな学びは「挑戦することの大切さ」です。もちろん、この活動に対しては強い熱意を持って応募を決めました。しかし心の奥底には、周囲に置いていかれる不安に焦り、何かに挑戦したかったということも理由の一つにあったと思います。だからこそ、 何かを始める理由はどんなことでも良いと私は思います。やってみて気づくこと、飛び込んでみた からこそ見える世界があります。少しでも何かにチャレンジしたいと思った時には、もうスタートラ インには立っています。大学生というどんなことでもできる貴重な時間に、皆さんが少しでも何かに挑戦したいと思えていたら良いなと思います。そして、もしそう思っていただけたら、ぜひ津田塾大学学外学修・キャリアセンターにふらっと立ち寄っていただきたいです。きっとその気持ちに応えてくれる、たくさんの選択肢が待っていると思います。


現地NGOや教育省を交えての移民児童の教育プロジェクトの会議

会議中の一枚