5月31日(土)千駄ヶ谷キャンパスにて、「アイスランド大統領と考える ジェンダー平等のつくりかた」が開催されました。
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イベントの第2部「なぜジェンダー平等が必要なのか 若者の目に映る『今』と、つくりたい未来」では、本学の学生がアイスランド大統領に直接質問することができる機会を頂きました。
この貴重な機会を最大限活かすべく、大島美穂学外学修・キャリアセンター長(総合政策学部教授)の指導の下、3月より自主勉強会を3回実施し、26名の有志学生が参加しました。
初回はアイスランド研究者の塩田潤氏をお招きし、アイスランドにおける女性の政治参加の歴史について講義していただき、同国の歴史における象徴的な出来事となった1975年10月24日「女性の休日」*や、今日のジェンダー平等に至る変遷について理解を深めました。
第二回勉強会は、女性の政治参加をテーマに在学中から研究に取り組み、現在は海外の大学院で研究を続けている2名の本学卒業生(2023年度卒 西野麗華氏、大島碧生氏)に登壇いただき、日本の地方自治体における女性の政治参加に関する二人の卒業論文の報告を聞き、討論を行いました。
前述の講師からのインプットを経て、第三回勉強会では参加者がチームに分かれ、関心のある地域のジェンダー問題を調査・分析し、最終日にそれぞれのテーマで研究発表を行いました。ここでの発表を参考に勉強会参加者による投票で優れた報告を行なったチームを選び、5月31日のイベント当日は、3名の学生が登壇して大統領へ質問を行いました。
海外の大学院で学ぶ卒業生とオンラインで繋いでの講義
第三回勉強会、各チームからの発表の様子
当日のイベントに参加した学生からは、アイスランドをはじめとする各国のジェンダーへの取り組みからの多くのことを学んだというコメントや、同じ問題意識を持つ仲間と学んだことにより「日本を少し変えていけるのではないか」と思ったという前向きなコメントが聞かれました。
また、当日の大統領からの発言から、「ジェンダー平等は女性のための権利ではなく、全員が正当に評価されるための権利であることを再確認した」「大統領や市長の回答からも女性だけがこの課題の対象者ではなく、男性も関わる必要があると学ぶことができた。」との気づきが学生から寄せられました。本学創設者津田梅子の想い「男性と協力して対等に力を発揮できる女性の育成」にも共鳴するイベントとなりました。
<大島美穂センター長より>
15年連続でジェンダー・ギャップ指数世界1位を記録するアイスランドと118位と低迷する日本に関して、国の規模や歴史、文化、社会など異なる部分が多すぎて議論が成立するのか、不安の中で開催を決定したイベントでした。しかし、事前勉強会を行い、塩田さんのアイスランド女性史の講演や、西野麗華さん、大島碧生さんの日本の選挙分析を基盤に、各自が勉強を続け、主体的に参加することのできたシンポジウムとなりました。その充実した内容はぜひ、当日の記事、動画からご覧ください。
最後に、共催の朝日新聞、アイスランド大使館の関係者、並びにお忙しい中御登壇くださった8政党の国会議員の皆様に心より感謝申し上げます。