津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

STEM分野で活躍する女性の比率が国際的にみても低い日本において 女子学生のキャリア選択を広げることを目的として、楽天グループでは、テックキャリアを知るためのエンジニア職インターンシップの機会を提供されています。2024年秋、楽天グループの社員の方々に小平キャンパスにお越しいただき実施した説明会がきっかけとなり、本学学生の長期インターンシップへのチャレンジにつながりました。

メンターとして学生をご指導いただいた社員の坂本さん(本学卒業生)に、後輩を職場で受け入れるという経験についてインタビューしました!

今回、後輩をインターンとして迎え入れるにあたってどのような思いがありましたか。

私の大学の後輩が楽天の同部署にインターン生として来ること、そして限られた期間の中で同じ環境で一緒に働けることを大変嬉しく思いました。数多ある企業の中から楽天を選んでくれたことに「楽天で働くこと」への意欲と関心を感じられたと同時に、学生の目線ではどのようなことを楽天でのインターンに期待しているのか、非常に興味深い部分もありました。インターンシップの期間中は学生生活と社会人生活の両立となりますが、楽天社員と肩を並べて働いている間はメンターとしてできる限り学びを提供したいと思っています。本人の興味に沿ったフィールドを見出すこと、それに合ったプロジェクトやタスクをアサインすることに重点を置き、インターン開始前から入念なインターンシッププラン設計しました。学生からすると会社に足を踏み入れて「社会人」を初めて経験することは緊張の連続だと想像したため、タスク視点だけでなく、できるだけ早く環境そのものに慣れるようなサポートができるように心がけました。

インターン生(松崎さん)の成長を教えてください。 

松崎さんはインターンを通して「主体性」における成長を体現してくれました。初めて踏み入れる環境の中で、当初は言語の壁や部署のメンバー把握、プロジェクトの背景やPMの定義を理解するまで苦戦することも多かったです。
挑戦が問われる環境において、松崎さんは常にポジティブに物事を見つめ直す姿勢を見せてくれました。思うように進まない場面において、状況の的確な把握と自分から必要な情報を得に行く重要性を伝えたことがありましたが、それを状況にあわせて実行してくれたと感じます。
特に「主体性」の意識については月日が経つごとに成長が見られ、受け身姿勢になっていたインターンシップ開始当初と比べると、トライ&エラーを繰り返しながらベストなアプローチを考えるまでに至るオーナーシップの姿も見られました。
 

メンターを担当したことによる、ご自身の気づきがありましたら教えてください。

「インターンシップ」は職業経験というよりも社会経験であると感じました。企業に入って社員と共に働くことで、どのような仕事をしているのか、人間関係をどう構築すれば良いかを身を持って体験することができます。企業に入るというのは「社会」に足を踏み入れるのと同じだと考えます。具体的なタスクを経験するだけではなく、社会人としての基礎(ビジネスマナーや一般常識)を体得することも目指します。メンターを担当する中で、当該のプロジェクトに関する情報や説明に重点を置くだけではなく、働くうえで必ず直面するであろう報連相の重要性、相手との会話やコミュニケーション、適宜メモをとって記録することなども合わせて伝えるように努めました。ビジネスパーソンとしての基礎を押さえておくことは、松崎さんが実際のタスクに取り組むうえで効果的に活きているのが分かりインターンシップの重要性を感じました。

後輩たちへのメッセージ

「就活」と聞くと、自分に合う企業はどういうところなのか、どのように就職活動したら良いのかなど、不安に感じることもあるかと思います。私も当時は同じような感情を抱えていました。言えることは、「社会人として働く」というのは人生において新たなスタートです。自分が努力して取り組んだ分、それが会社の利益に繋がり、達成感の喜びがあります。ジャンル問わず、いろいろな企業を知ることからぜひ始めてみてください。最初から分野を絞ることはしないで、多種多様な企業を自分の目で見て、インターンシップなどの実経験も経ながら、自分に一番合う仕事を見つけるのは意外に楽しいです。楽天のインターンシップは、現場に近い実務に関わりながら働く楽しさを経験できると思います。楽天に興味がある方はインターンシップを一つの指針としてチャレンジしてみることをおすすめします。皆さんの今後がより明るいものとなるように願っています!

楽天グループTech Communityでのインターンについて

インターンの募集から採用までをご担当頂いたTECH人事総務部の串本さまに、楽天グループのエンジニア職インターンシップの制度ついて伺いました。

楽天グループのTech Communityでは、毎年夏休みにエンジニア職を志す数十名のインターン生を受け入れています。職種はアプリケーションエンジニアからプロジェクトマネージャーまで様々で、皆さんの専門性やキャリア志向によって選んで頂いています。インターンシップの期間は約3週間~最大3カ月程度と長期間ではありますが、学業のスケジュールに合わせて決めることが可能です。期間が長い分、インターン生には実際に社員の使う開発環境で『実務のプロジェクト』を体験してもらうことを重視しています。

また、弊社の長期インターンシップの特徴は下記の3点です。
1.グローバルな職場環境:多国籍な社員と協働することで、異文化理解を深め、グローバルな視点でのコミュニケーション能力を養うことができます。

2.「楽天エコシステム」の豊富なデータの活用:70を超えるサービスで蓄積されたビッグデータの分析や、その分析に基づいたサービス開発に携わることができます。

3.充実したサポート体制:メンター制度を導入しており、日々の業務や今後のキャリアに関してメンターや人事担当に気軽に相談できる機会を設けています。また、インターン生同士の交流も重視しており、ランチ会やワークショップを通じて、学生間のネットワークを広げる場を提供しています。

特に、『理系キャリアを目指す女子学生』を積極的にサポートしている理由を教えて下さい。

楽天のTech Communityでは、現在「Women’s Empowerment」に力を入れています。これまでも社内において女性のリーダーシップやキャリアに関するトークセッション等を実施し、女性のキャリア形成支援に取り組んできましたが、今後は社内だけではなく、社会全体のジェンダーギャップの解消に貢献したく、活動の場を広げています。現在、日本においてSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で活躍する女性の割合は、国際的に見ても決して高いとはいえません。その理由として、STEM領域で活躍している女性のロールモデルと触れ合う機会が少ないことにより、女子学生が理系分野で働く具体的なイメージを持ちにくいことが一因ではないかと考えています。そこで、文理選択を控えている女子中高生や、就職活動を控えている女子大学生を対象に、弊社の女性エンジニアとの交流の機会を提供し、テクノロジーの面白さや、エンジニアとして働く魅力を直接伝える場を設けています。こういった活動を通じて、学生が将来のキャリア選択肢を広げ、結果としてSTEM分野が、性別に関わらず誰もが活躍できる場となる未来を作りたいと考えています。

インターンに参加する学生に期待していることはなんですか。

エンジニア職向けのインターンシップでは、実際に進行中のプロジェクトへインターン生をアサインしています。これは、大学での学びを実践の場で活かし、より実用的なスキルを培ってほしいという私たちの願いからです。アカデミックな環境での勉強や研究に加え、現場で直面する課題解決を通じて、即戦力として通用する力を身につけてほしいと期待しています。
楽天には経験年数に関わらず、活躍できる場があります。また、楽天の顧客層は幅広く、より良いサービスを提供するには、インターン生の皆さん含め、さまざまな視点からのアイデアや意見が必要です。プロフェッショナルとして今後社会で活躍する前の下地作りとして、インターンシップを通じて、物怖じせずに積極的に挑戦するマインドセットを身に着けてほしいと思います。

インターンで学生に楽天のどんな部分を見てほしい・体験してほしいですか。

現場では、常に最新のテクノロジーを使って開発を進めており、新たな技術をどのように社会実装しているかオフィスで体感して頂きたいですね。
また、社員の「多様性」をぜひ肌で感じてほしいと願っています。Tech Communityには、日本人メンバーが少数のチームも多くあります。日本にいながらにして、まるで海外で働いているような環境で、世界各国・地域から集まった社員との交流を通じて、日々刺激を受け、人としても成長できることを期待しています。
そして、ユニークなオフィス環境もぜひ楽しんで頂ければと思います。本社である楽天クリムゾンハウス(二子玉川)では3食基本無料のカフェテリアが好評で、コンビニやジム、ヘアサロン、マッサージなどの施設も充実しています。多様な社内設備を活用し、楽天グループならではの働き方を体験してください!


メンターとして伴走してくださった坂本様をはじめ、インターン生の受け入れにあたり多くのサポートとご指導を頂きました楽天グループの皆様、本当にありがとうございました!