津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

4年生インタビュー 総合政策学科 小寺咲綾さん

卒業する4年生に、大学時代の学外学修の経験について伺いました!

津田塾大学を選んだ理由を教えてください

元々ジェンダー問題や働き方に関する問題に関心があり、それを深められる環境であると考えたからです。

私の通っていた高校では自分の関心に合わせて5000字程度の研究論文を書く課題がありました。新聞を読みながらテーマを探していた際に見つけたのが「少子化について」と「保育園等の待機児童について」の記事でした。なぜ生まれてくる子どもの数は減っているのに待機児童が増えるのだろうかと疑問に思い、テーマに決めました。その流れでジェンダー問題や働き方問題に興味を持ち、見つけたのが津田塾大学でした。

4年生になった今は情報の分野で観光について分析をしていますが、総合政策学部ではやりたいことが変わってもそれに柔軟に合わせることができるカリキュラムが魅力だと思います。

社会で感じた課題と大学の学びが重なり、学外での活動に参加

大学生活で力をいれていたことや、楽しかったこと、思い出を教えてください

大学生活ではサークルの立ち上げやコンテストへの参加など、課外活動に力を入れました。様々な活動をしていく中で、印象に残っている活動は大学1年生から参加しているチャリティ系のプロジェクト「エンピツプロジェクト」です。エンピツプロジェクトではまだ使える文房具を寄付で募り、海外の子どもたちに届ける活動です。フィリピンやカンボジアといった国に届けてきました。

エンピツプロジェクトの活動

なぜその活動に参加しようと思ったのですか

自分が実際に見て感じた課題を解決してみたいと思ったからです。当時アルバイトをしていた雑貨店では、ほんのわずかな傷で返品されるボールペンや、長期間売れずに表紙が傷んでしまっているノートなどを在庫として抱えていました。この問題と大学で触れていた貧困問題や教育問題が重なり、これらを必要な人に届けられないかと思いました。そんな時に、友人の紹介で活動を知りました。上記で説明した活動に加えて、もっと企業と連携して大規模に寄付してみたいと思い、企画書を代表に送り、2年生に上がるタイミングでメンバーになりました。

相手の反応がダイレクトに伝わることが自分のやりがいに繋がっていると感じます。4年生の夏には、日本の小学校で文具の寄付を募り、カンボジアの子に向けた手紙とともにギフトボックスを作ってもらいました。カンボジア側ではお礼の手紙を書いてもらい、それを日本の小学校に返す活動をしました。双方の子どもたちの笑顔や興味関心に触れることが大きなモチベーションに繋がっています。

有志でこんなに文具が集まりました

カンボジアの子どもたちからのお返事の手紙を届けた時

その他の活動も含めて、印象に残っていることや苦労したことを教えてください

エンピツプロジェクト以外にも、いくつかの活動の中で、組織として持続可能に成り立っていくためのベースが整っていないことで、事業を拡大したり必要な人にサービスを届けきれないという場面に直面しました。

学外学修センターの紹介で3ヶ月ほどベンチャー企業でインターンシップをする機会がありました。当初の業務内容はその企業のサービスをSNSで発信するという広報の仕事がメインでした。しかし、「どのような人に向けて、どのような投稿を作成したらより魅力に感じてもらえるか」などの顧客の声を明らかにすることが重要だと考え、顧客アンケートや参加者リストなどの情報を調査して分析する業務に手を挙げました。そこで感じたことは、こんなに重要な情報を持っていても活用しきれていないことで機会を逃してしまっているということでした。少人数で事業を回していたことや、直接のお客様の反応を重視していたこともあり、そのようなデータを活用したマーケティングまでに手が回っていない印象でした。そのような中でも、従業員の方のサービスを届けたいという思いや地域に還元できるようなビジネスにしたいという強い思いがあり、少数精鋭で想いが強いメンバーで働く良さを感じました。

情熱を持った人を支えたい

そのような中でどんな学びがありましたか

これらの2つの組織ではたくさんの問題を抱えながらも、代表が常に強い思いを持って「こんな社会にしていきたい」と希望を語る姿を間近で見ていて、自分も幾度となく心を動かされました。そして活動に対してだんだん積極的になっていく自分に気がつきました。次第にこのように熱量を持って挑戦する人を応援したいと思うようになりました。やるべきこと、やりたいことに集中できるように環境づくりの面でサポートしたいという思いがありました。

ラジオ出演の時の様子

これらの経験は、どのように進路選択に生かされたと思いますか?

ミッションやビジョンに共感していることで自分は楽しく働くことができるという学びが進路選択に影響を与えているように思います。また、少数精鋭で強い思いを持って働くことが楽しい、という学びが生かされました。

就職活動はどのように進めましたか

最初は純粋に自分の興味のある業界を受けていました。私は観光やレジャーが好きなので、3年生の秋ぐらいまでは旅行業界やエンタメ業界のインターンに参加していました。しかし実際にインターンに行ってみると思っていた雰囲気とは異なると感じ、より自分にあった業界を探し始めます。

そんな中でとても惹かれる企業に出会い、第一志望として本選考を受けました。しかし3月に残念ながら落ちてしまいます。そこから1週間ほど落ち込み立ち直れなくなっていた時に助けてくれたのが友人です。友人に相談するなかで、「なぜあんなにあの会社に行きたかったのだろう」と考え直して、出てきたのは、その会社のビジョンに強く惹かれていた、という答えでした。そこでやっと「熱量を持って挑戦する人を応援したい」という自分の思いと、そのビジョンが達成できる会社を探していることに気がつきました。

もう一度就職活動をやり直し、3月下旬に「さくらインターネット株式会社」にエントリー最終的に内定を頂きました。私のやりたいことを言語化したようなビジョンを持っていたこと、社員の方の雰囲気が合っていたこと、大学での幅広いITの知識が生かされること、などの面でマッチしていたことがエントリーの決め手でした。就職活動ではさまざまなことがありましたが、行動していく中で自分の思いに気づくことが出来て、さくらインターネットこそが私の居場所だと思えますし、働くことも楽しみです。振り返ってみると一人で就職活動を進めることも多かったですが、納得のいく進路に決められたのは友人たちの支えのおかげでした。

国際学会で研究発表をした時の写真

失敗はこわいけど、今は「学生は失敗していい」と思える。とりあえずやってみよう!

今後の目標を教えてください

就職先で働くことを通して、もっと多くの人がやりたいことに気軽にチャレンジできる社会を作りたいと思っています。そのためには、自分と、共に挑戦する仲間が楽しくあることが重要であり、それは長所や経験を存分に生かすことから生まれると考えています。個人としても、チームとしても、このようなことが達成されるように尽力していきたいです。

後輩たちへ、メッセージをお願いします!

考える前に、とりあえずやってみましょう。やってみてから、難しい、できないことは「わかりません!!!助けて!」と言えればある程度なんとかなると思います。私の経験上、それで助けてくれなかった人はほぼいないです。失敗はこわいけど、今になっては「学生は失敗していいんだ」と思えます。まずは行動してその結果で、次を考えれば良いと思います。私もこれから先何年も失敗し続けるかと思いますが、挑戦を続けていきます。皆さんもぜひ大学生のうちに様々なことに関心を持ち、一歩踏み出してみてくださいね。