4年生インタビュー 国際関係学科 吉田明華さん
卒業する4年生に、大学時代の学外学修の経験について伺いました!
津田塾大学を選んだ理由を教えてください
いろいろあるのですが、一番は志が高い仲間とともに、様々な社会課題について考えを深められる点に魅力を感じたからです。私は大学を選ぶにあたって、5つのことを大切にしていました。
1つ目は、少人数のきめ細やかな授業を受けられることです。元々、少人数制の中高一貫校に通っていたため、人数が少ない中で学ぶ環境は自分に合ってると感じました。2つ目は、英語の力を伸ばせるということです。中学生のころから英語学習に力を入れてきたため、大学でも英語に力を入れる場所に身を置きたいと考えるようになりました。3つ目は、学生の雰囲気です。何事にも意欲的な学生といた方が、自分自身の成長につながると考えました。4つ目は、自然豊かなキャンパスで学ぶことです。都会の喧騒とした雰囲気が苦手で、緑に囲まれた場所で学びたいと思いました。最後の5つ目は、リベラル・アーツ教育です。高校でフェアトレードに関わった経験や、ディベートで日本の長時間労働について話す機会などを通して、社会課題について学べる学科に進学したいと思いました。特に、津田塾大学は人文科学・社会科学・自然科学の三領域を網羅するリベラル・アーツ教育を推進しているので、1つの専門分野にとどまらず幅広い視野を培えるのではないかと考えました。また、中高時代の恩師が津田塾大学出身ということもあり、津田塾大学を勧めてくれたことも大きな後押しとなりました。
大学生活で力を入れていたことや、楽しかったことを教えてください
大学生活で力を入れたことは津田塾祭の実行委員です。高校生の時、高円宮杯英語弁論大会に出場した際、運営していた大学生のスタッフがとてもかっこよくて、憧れを抱いていました。残念ながら、この学生団体の運営スタッフにはなれなかったのですが、私も仲間とイベントを作り上げたいと思ったのがきっかけです。2年生では副委員長として参加団体を取りまとめる仕事を担当しました。1番大変だったことは、限られた引き継ぎ資料の中で、委員長やチーフたちと試行錯誤しながらマニュアルを作り上げたことです。私が副委員長を務めた年がコロナ後初の対面開催だったため、前例がないだけでなく、様々な制限も多く、みんなでルールを作成していくことは苦労しました。しかし、その分達成感があり、一緒に運営を行ったメンバーとは、その後も休みの日もいつも会うほど仲が深まりました。
自分自身のキャリアについて、いつ頃考え始めましたか
津田塾祭実行委員の仕事が落ち着いた2年生の12月頃から、漠然と将来について考え始めました。その時、学外学修・キャリアセンターで募集していた電機メーカーさんのインターンシップが目に留まりました。自分の強みである英語や、学科で社会課題について学んだ経験が活かせると思い、また、企業の視点から社会課題解決に取り組めるのも魅力に感じました。その時期は、英語の教員や法律事務所のパラリーガルなども含めて、あらゆる選択肢を考えてまだ進路の方向性を絞り切れていない時期でした。
民間企業でのインターンシップで何を得ましたか
このプログラムを通して、民間企業が社会課題にどう取り組むか、またグローバルに働くとはどういうことなのかを学びました。限られた時間内に成果を出すことの重要性を知り、楽しさの中にも自分の課題が見えてきました。また、様々な業界での経験を持つ社員の方と話すことで、コンサルタントと事業会社の違いについて知り、事業会社の立場では実際にプロジェクトなどを実行する部分により関わることができるという話を伺ったことも印象に残っています。他にも社長さんとお話しさせていただく機会があり、責任を全うすることの大切さについて改めて考えさせられました。民間企業で働くことについて、少しイメージをもつことができたインターンシップだったと思います。
最終日、社員の方々と一緒に
最終プレゼンの様子
他にもインターンシップに参加されましたか
同じ時期に中央省庁のインターンシップに参加しました。これまでを振り返ると、私は奨学金や推薦制度など様々な教育制度の恩恵を受けてきたので、教育の機会均等に関心がありました。他にも、母が教育に関わる 仕事をしていることも影響しています。実際、インターンシップに参加してみて、様々な現場を見たり教育の課題に熱意をもって取り組んでいる職員の方の話を聞いたりして、仕事のやりがいや分野が自分の関心と合っていると思いました。働いている方々の雰囲気も自分とあっていると感じました。1か月の間に2週間ずつ民間企業と中央省庁の2つのインターンシップを経験して、「グローバルに働きたい」という漠然とした気持ちと自分のバックグラウンドから生まれている課題意識と、どちらを中心に進路を考えればよいかとても悩みました。
進路を決定するうえで大変だったことはありましたか
恩師にアドバイスをもらい、さらに自分自身でも約1か月考え抜いて、国家公務員を目指す決意をしました。やはり、教育の課題に取り組むことが私の中で重要だと思ったからです。決めるところまではよかったのですが、試験勉強が私の中で最大の試練でした。3年生の5月から予備校に通い出したものの、教職課程も履修していて学業との両立が難しかったです。そのため、大学の図書館で21時くらいまで、海外大学院を目指す友人と励ましあいながら試験勉強に取り組んでいました。ずっと勉強していると疲れるので、月に1度友人とご飯を食べに行ってリフレッシュしていました。
インタビューの様子
今後の目標を教えてください
教育格差をなくすことに貢献したいと考えています。
私は貧困や格差などの問題について考える際、教育を解決策に取り上げる傾向があったのですが、それは自分の中で教育に対する期待が大きいということに気づき、同時に教育のインパクトの大きさにも気付かされました。一方で国際関係学科で学ぶ中で、解決策となりうる教育が格差を助長する一因になり得ることも実感しました。私自身が経済的に貧しい家庭で育ったこともあり、教育格差の問題は考え続けていきたい大きなテーマの一つです。また、学校教育を終えた社会人が、その後も生涯にわたって学び続け、就労と学習のサイクルを繰り返していく「リカレント教育」に興味があり、卒業論文のテーマにも取り上げたほどなので、今後も関心をもって取り組んでいきたいと思っています。
後輩たち、そして津田塾大学を目指す高校生へメッセージをお願いします!
将来やりたいことが見つからない場合は、考えるより先に行動してみましょう!
私自身、2つのインターンシップに参加して初めて、自分の関心がある分野について詳しく知り、キャリアについても考えることができました。頭で考えているだけでは分からないこともあるので、少しでも興味があったらインターンシップなど学外学修に参加してみることをおすすめします。そのほかにも、津田塾大学は、勉強、課外活動など精力的に取り組む学生が多い印象です。私も、周りに感化され勉強に励むことができました。切磋琢磨し合える環境が津田塾にはあると思います。また、女子大だからこそ性別を意識せず、一人の人間として向き合える環境で過ごせたため、本当の自分について考えられる4年間でした。
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文章:学外学修・キャリアセンター学生スタッフ(田中あかり)