津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

2020年度の学外学修

2020年は学外学修センターにとっても大きな試練の年となりました。新年度が始まる直前に新型コロナウィルス感染症の流行が起こり、予定していたプログラムの中止、変更を余儀なくされました。移動が制限されるなかで、「キャンパスをこえる」というのが大前提の学外学修はどうすればよいのか、試行錯誤が続きました。しかしながら、これまで連携いただいていた受け入れ企業や卒業生からの協力を得てオンラインのプログラムや講座を開催することができ、600人を超える学生が参加してくれました。実際に現地に行くことや、対面で会う機会を創ることができず学生には申し訳ない気持ちで一杯でしたが、そのなかでも多くの学生たちが意欲的に参加してくれたことに救われた気がします。コロナ禍が終息し、日本だけでなく世界で学生たちが安心して学べるようになることを願うばかりです。

オンライン講座

例年のように企業を訪問して行うPBLはできませんでしたが、各企業にご協力いただきオンラインにて実施しました。日本航空とは、夏に「ホスピタリティとコミュニケーション」、21年春には「JALの取り組むSDGs」にいったテーマでプログラムを実施しました。客室乗務員ご出身の社員の方たちのきめ細やかなおもてなしの精神がオンラインを通じても感じられ、学生たちは自身のコミュニケーションの在り方を見つめ直すきっかけになったようです。また、春のプログラムでは、コロナ禍で苦境に立たされながらも長期的な視点でSDGsの達成に向けて日本航空が取り組んでいることを学び、若い世代ならではの提言を行いました。
日本IBMとは、「テクノロジーで世界を変える」をテーマに、オンラインツールを駆使して学生たちがアフターコロナの社会課題についてグループワークに取り組みました。オンライン上でのコミュニケーションに苦労していた様子もありましたが、対面実施に劣らないプレゼンテーションをしてくれました。

繊維商社のタキヒヨーとエシカル協会にもご協力いただき、「ファッションとサステナビリティ」をテーマとした講座を実施しました。サステナビリティの課題にコロナ禍という新たな難題が加わり、アパレル業界を取り巻く状況について学ぶ機会となりました。参加した学生からは、「私はファッションが好きで興味があるので今回の講習会に参加しましたが、こんなに自分が得意だと思っていた分野でも知らないことだらけでした 。講師の方の話を聞くことだけでなく、 グループディスカッションで共有した話題の中からも新しく得た知識が多かった」という感想が寄せられました。

パソナグループでは、オンライン・インターンシップを実施しました。双方にとって初めてとなるオンラインでの就業体験は難しさもあったようですが、社会人が経験しているリモートワークを疑似体験し、新しい時代の働き方について気づきがあったようです。

オンライントークセッション

2020年度の新しい試みとして、卒業生によるオンライントークセッションを実施しました。様々な分野でご活躍されている卒業生の皆さんにご協力いただくことができました。なかにはアメリカや韓国在住の方にもご登壇いただき、オンラインの利点を感じることもできました。卒業生の皆さんが歩まれてきたキャリアパスについて、在校生たちは熱心に聞き入っていました。
※オンライントークセッションの模様は、センター
 のフェイスブックページでご覧いただけます。
 https://www.facebook.com/tsudaoffcampus

(上段左から)吉田智子さん, 安東沙織さん, 北村祐子さん, 土井陽子さん, 中村文子さん, 津田順子さん, 小野田幸子さん, 堀山明子さん

SDGsテーマの映画配信サービス

コロナ禍でキャンパスにくることができない学生も多かったため、ステイホームでも学べるよう映画配信サービスも実施しました。「Cinema de 学外学修」と称し、グローバルな社会課題を学べる映画17作品が津田塾生であれば無料で視聴できる環境を整えました。2020年10月にサービスを開始し、21年3月現在で700名を超える登録があり、学生たちの関心の高さを示す反響がありました。

AP事後評価

文部科学省の大学教育再生加速プログラム(AP)テーマIV「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)」(2015年度~2019年度)の事後評価において、本学はA評価(計画通りの取組が行われ、成果が得られていることから、本事業の目的を達成できたと評価できる)を得ることができました。2017年度に4ターム制となって以来、800人を超える津田塾生が意欲的に学外学修に取り組んでくれたことが評価され、大変嬉しく思います。
日本学術振興会ウェブサイト 
https://www.jsps.go.jp/j-ap/data/jigo_hyoka/kekka/r2-ap-jigokekka_52.pdf