津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

1年生からボランティアなど様々な学外の活動に参加されているそうですが、どんな活動に参加しましたか。

ボランティア活動は主に2つ参加しています。1つ目が外国にルーツをもつ子供に対して行う学習補助のボランティアで、週に1回ほど様々な国にルーツを持つ子どもたちの勉強をサポートしていました。2つ目は、日本財団ボランティアセンター(Gakvo)による、ボランティア創発プロジェクトです。「ハラルフード(イスラム教の戒律に則った食事)を作る料理教室を開催し、日本に住むイスラム教徒への理解を深める」という企画が採択され、料理教室の立ち上げから実施まで行いました。その他、国際協力推進協会(APIC)のインターンシップ、香川県の小豆島における地方創生インターンなどにも参加しました。

現地の人と協力し、共に課題を解決したい

入学してすぐは、自分が将来何をしたいのかイメージが出来なかったのですが、もともと国際協力に興味があったので、最初にAPICインターンシップとJICA国際協力理解講座に参加しました。異なる協力手法をとる両機関でのプログラムに参加し、私は現地課題に対して現地の方と連携して解決していく国際協力がしたいのだと感じました。
JICAの研修で出会ったアフリカや南アジア、東南アジアの方の多くが、「農業は国の発展の柱だ」と熱を込めて話しているのを聞き、私も農業分野で国際協力に関われないだろうかと考えるようになりました。学外活動に参加したことで、曖昧だった自分の興味が少しずつ形を表してきました。

ボランティア活動で、大変だったことを教えてください。

ボランティア創発プロジェクトでは、自分でプロジェクトを一から作るということもあり、人とのコミュニケーションや周りの人を巻き込むことの難しさを痛感しました。
ハラルフードが日本で普及をしていないことにより、イスラム教徒が食べられるものが制限されているという話を聞き、「もっと日本でのハラルフード認知を広め、普及に繋げたい」と思ったのがプロジェクト参加のきっかけでした。
当事者であるイスラム教徒の協力を仰ぐため、モスクなどに自ら足を運び15人ほどの方とお話させて頂きましたが、自分たちの活動に興味を示してもらったり、協力してもらったりすることがなかなかできませんでした。また、イベント参加者を集めるためSNSで広報を行いましたが、参加者が思うように集まりませんでした。この経験から、人に自分が企画する活動に興味を持ってもらい、巻き込んでいくことの難しさを感じました。しかし、これも自分でプロジェクトを立案・実行したことで痛感出来たので、活動してみて良かったと思っています。

事前に調べること・問題を明確にすることの大切さ

実際に活動して感じたのは、問題解決のプロジェクトを行う際、「自分が問題だと思っていることは、当事者にとって本当に問題なのか」という視点を持ってそのことについて徹底的に調査することの重要性です。ハラルフードプロジェクトを行う中で実施した調査では、すべての人が日本での食事に不自由を感じているわけではなかったり、信仰度によってはハラルフードをさほど重視していない人もいたりすることが明らかになりました。この経験から、実際に行動に移す前に、多くの当事者の生の声を集め、その上で解決すべき問題とその手段を決定していく必要があると感じるようになりました。

活動の前後で変化はありましたか?

学外の活動を経験したことは、自分の進路を考えるきっかけになったと思います。自分がどのような時にワクワクするのか、どのような人と共に働きたいのか、どのような分野で働きたいのか、どのような形で国際協力に携わりたいのか、ということが明確になりました。「農業×国際協力」という現時点の私の軸も、学外学修によって形成されました。やりたいことが明確でなくても、少しでも惹かれる活動に気軽に参加し、活動する中で生まれるワクワク感や違和感といった感覚、感情をすくい取っていけば、少しずつやりたいことが見えてくると思います。

うまくいくだろうと思っていたことや得意だと思っていたことが実際そうでもなかったり、逆に思わぬ所で自分の心が躍ったり、学外学修は「新しい自分に気づき、自分を客観的に見る機会」になります。いろいろな活動に参加したことで、自分を見る目が変わったと思います。
あとは、ボランティアは自発的に参加するものだからこそ、「なぜ参加したいのか」「何を達成したいのか」という自分の意志を持つことが重要だと感じます。その分、自分と向き合う機会になるのではないでしょうか?

大学の勉強や他の活動との兼ね合いはどのようにして行っていましたか?

1、2年生の頃は、「とにかく興味があったらやってみる」というスタンスで、いろいろな事に足を踏み入れていました。正直、勉強との兼ね合いはあまり考えられていませんでした。APICのインターンとJICAの研修は長期休みに参加したので特に苦労しませんでしたが、ボランティア創発プロジェクト(ハラルフード料理教室の運営)は3・4タームの間に取り組み、協定校留学の選考や期末試験と重なり大変でした。あまり勉強との両立はできていなかったと思います。学外学修センターで提供されているプログラムは長期休みに実施されるものが多いので、特に1・2年生で学業との両立に不安がある人は、その期間の利用をお勧めします。

香川県でのインターンについても教えてください。

香川県の小豆島で5日間行うインターンで、1万円で行けるという事に魅力を感じて(もちろんそれだけではありませんが笑)参加しました。地方創生をテーマに、初めの2日間は町役場で「ふるさと納税の返礼品を考える」企画の仕事体験、その後の2日間は、オリーブ公園という観光施設(道の駅)での農園でのオリーブ摘みや草刈り、公園で毎月開催されるイベントの企画等を立案する活動をしました。
町役場では返礼品の商品提案を行うために、小豆島ならではの魅力的な商品を、島中を巡って探し出しました。採用された商品の写真撮影や紹介文章の作成も自身で行い、それがホームページに掲載された時は嬉しかったですね。ふるさと納税の返礼品を通じ、多くの人に小豆島の魅力を感じてもらい、旅行や移住に繋がってほしい、という思いで活動に取り組みました。
過疎化の進んだ地域がどのような問題を抱え、観光客や移住者を増やすためにどのような取り組みをしているのか、現地の方々の生の声を聞く良い経験にもなりました。

社会人の方々の「働く上での意識」や「社会問題への取り組み方」

香川県町役場の方、オリーブ農園のおじさん、JICAの研修生(現地政府の農林水産省の方やエンジニア)、元千葉県佐原市長など、普段の大学生活では出会えないような、様々な仕事をされている社会人の方と話す機会を通じ、それぞれの方の仕事への意識、社会課題への向き合い方を聞くことができたのは貴重な体験でした。これこそが学外学修の醍醐味だと思います。

これから、どんな活動に参加したいですか?

私は2020年夏から留学予定で、現地の大学で社会学を専攻しながら、新規移住者(海外からの)や難民を支援する現地NGOでボランティアに参加したいと考えていました。留学先のミネソタ州は、ソマリアやミャンマーからの難民が多い地域で、また移民の増加率も全米の中4位と高い地域です。その地域で移民や難民をどのようにインクルージョンし、多文化共生実現を図っているのか、自分の目で見て日本での多文化共生推進に活かしたいと思っていました。コロナで中止になってしまいましたが、延期して行きたいと思っています。

「日本で出来ないことは海外でも出来ない。日本でしっかり力を付けたほうが良いよ」

私の活動の動機付けとして、1年生の頃に憧れていた、当時4年生で留学経験のある先輩から掛けられた「日本で出来ないことは海外でも出来ない。だから今後海外でやりたいことがあるなら、日本でしっかり力を付けておいた方が良いよ」という言葉がありました。留学先でも能動的に活動し学びを吸収するために、まず国内で人間力や様々なスキルを高めようと1年生の頃から様々な活動を行ってきました。これからもこのことを心に留めて頑張ろうと思っています。

後輩へアドバイスをお願いします!

私はボランティアやインターンに1年生から参加してきて、その経験から自分の興味や強み弱みを知ることができ、今の将来像の形成に役立ったと感じています。また、様々な人との出会いや、その方々から聞いた話から新しい興味が生まれることがあります。「やりたいこと」が最初からはっきりわかっている必要はありません。様々な経験をすることで自分が情熱を持てるものが見えてくると思うので、1・2年生の頃から少しでも興味を持った活動に参加してみることをおすすめします。
学外学修は大変なこともありますが、自分を大きく成長させられるチャンスです。是非気軽に参加してみて下さい!