こんにちは、倉石東那です。
限りある学生生活をいかに過ごすかは今後の将来を考えていくにあたり必須であることは明確である一方、皆さんにとっておそらくどうやって考えればいいのか、人生を切り開いていくにあたり何が必要なのかということに対して不安に思うかもしれません。実際私もそうでした。しかし、そうした不安を、鮮やかで明確なイメージやインスピレーションにより克服し、不確かだった未来を切り開く原動力をもつきっかけを与えてくれるプログラムがあります。それがTOMODACHI MetLife Women's Leadership Programです。
TMWLPとは
TOMODACHI MetLife Women’s Leadership Program (TMWLP)は、日本の女子大学生に約10ヵ月間のリーダーシップ研修と実務経験豊かな女性リーダーたちによるメンターシップの機会を提供しています。TMWLPには、毎年100名(学生50名とメンター50名)が参加しており、このプログラムを通して、日本の女性に成長の機会を提供することで、社会に変革をもたらし、女性活躍を牽引する次世代のリーダーを輩出していくことを目指しています。(公式 HP より抜粋・要約)
なぜ参加したのか?
参加した一番の動機は、私の夢を実現するにあたり必要なhuman networkをどのように構築して、どのように自分のキャリアに生かしていけるのか、を学びたかったからです。
応募以前から大学で国際関係を学んでいたり模擬国連で活動していたりという経験から、国際機関で難民や人道危機のことについて扱う仕事に就きたいとぼんやりと考えていました。しかし、それをどのように実現していくかということに、あまり見当がついていませんでした。その理由として、シャイさを私の性格の大きな特徴として認識していたからです。その結果、意見を溜め込んでしまい、さらにその意見は他者にとって理解しにくいものになることがありました。そうした問題は、目標を具体化し他の人々と協力しながらそれを実行していく中で大きな障害になっていました。TMWLPのプログラムを通し、そうした自己認識を改め、目標達成に向けてその新たな自己認識を活用していくノウハウと経験を得たいと考えました。これらの背景から、応募を決め、幸運にも合格しました。
活動内容
TMWLPの活動内容は、9月から翌年2月まで毎月一回の研修と3月末にあるアメリカ研修です。プログラムでは、5つの軸「コア・リーダーシップ・コンピタンス」;コラボレーション、リジリエンス、グローバルな視野、ペイフォワード、自己認識を中心にデザインされており、米国研修でもこれらの軸を中心研修プログラムが構成されています。(公式 HP より抜粋・要約)
月一回の研修では、自分のリーダーシップや強みとは具体的に何か、他の人とのコミュニケーションの中でそのリーダ性や強みとどう向き合い活用していくのかなどのトピックについて、Lumina Sparkという自己分析ツールを用いながらメンターの方やメンティ同士でディスカッションしました。
アメリカ研修では、それまでに得たことを活用しつつ、実際にアメリカや世界で活躍していらっしゃる方にお話を伺いに行ったり、学んだことをさらに活かす方法(story tellingの方法やレジリエンスなど)に関するレクチャーを受けたりしました。さらにキャリアを両立させつつも家族との充実した生活を送る夫婦の方々とランチトークをしたり、ワシントンのフードバンクへのボランティア活動を行ったりしました。
またアメリカ研修での行動は基本的にグループごとになされました。そのグループで10年後に必要なリーダー像に関するFinal Presentationをしました。
Hidden Treasures を見つける
このプログラムを通じての大きな変化は主に2点あります。自己への意識変化と、その意識の活用方法の変化です。第一に、自己認識の変化について、このプログラムを通して「弱み」を克服するよりも「強み」の効用をいかに最大化していくかという視点に焦点が置かれました。さらにただ「強み」と言っても、意識的な強み、何らかの思い込みにより隠されている強み(“hidden treasures”)があるということも紹介されました。
それと同時に、その強みを他者に対して強要してしまうときの欠点や、その強みが極端に使われてしまった時にデメリットについて知ることができ、そのケースを克服するためにどうすればいいのか考えることもできました。
自分のことを線で語る
第二に、どの強みを他者にいかに共有するかということに関して、自分の歩んできたストーリーやこれから歩んでいきたいストーリーなど、自分のことを「線」で語ることの重要性を知り、それを他の人のキャラクターに合わせて魅力的に伝えるノウハウをこのプログラムで知ることができました。自分のストーリーを、内容がフランクであるかどうかにかかわらず、同じ参加者やメンター、ロールモデルの方々に気軽にお話し、フィードバックをいただけるような環境がプログラムを通して整っていました。
このような、自己意識とその共有方法の2点は、元々の私の参加目的であったhuman networkをいかに構築していくかということへの重要な鍵となることを確信することができました。
プログラムを終え、これから—
プログラムの中で強調された点の一つに、「私たちも将来的にロールモデルになる時期がやってくる」ということがありました。プログラムを終えた私は新たな自分を見出したり、それをいつでも共有できる仲間に出会えたりしたことへの満足感を感じております。しかし、それと同時に、そうした目標を実現し「ロールモデル」になるにあたって、私に不足していることも幾分にあるとも思っています。例えば、「難民/国内避難民」や「国際連合の機能」「人道危機」に関わるスペシフィックな専門分野の設定や、オリジナリティのある目標の決定、そしてそれらを実際に行動として実現していくことです。自分の強みをアップデートしつつ、その強みと社会とのコネクションを明確にし、実際に行動に移していきたいと思っています。
5月にあった年次報告会で講演者のある方が述べられたことに、“Don’t be afraid to get your shoes dirty.”という言葉がありました。何かを得る時、同時に何かのリスクを背負うかもしれません。時にそのリスクとベナフィットを冷静に判断しつつも、様々な世界に飛び込んでいけたらと思います。