津田塾大学 学外学修・キャリアセンター

多文化・国際協力学科 4年 山下陽音

はじめに

卒業まで残り半年となった大学4年生の後期に休学し、インドネシアへ。

国際交流基金の「日本語パートナーズ」インドネシア23期として、現地の高校2校で6ヶ月間活動しました。主に、現地の日本語教師のアシスタントを担い、発音や会話練習などの授業サポートや浴衣や書道などの文化紹介を行いました。

文化紹介「折り紙」「書道」の様子

応募に至ったきっかけ

きっかけは、大学の副専攻で日本語教員養成課程を履修し、地域の日本語教室でのボランティア活動に参加したことでした。日本語学習者の学習意欲の向上や達成感を得る様子を近くで見る中で、海外で日本語を教える活動に興味を持つようになりました。そこで「日本語パートナーズ」を知り、研修の様子や経験者の活動内容を拝見するうちに、「これだ!」「挑戦したい!」と強く心惹かれ、応募を決意しました。

また、現地社会の中で自分自身がマイノリティーを経験できる点にも魅力を感じていました。異なる文化や価値観の中で生活する経験は、多文化共生への理解を深められるだけでなく、今後の人との関わり方や自身のキャリアについて考えるきっかけになるのではないかと考えました。

休学の決断

活動に参加するためには、大学4年次で休学する必要がありました。
一般的には就職活動に向けて、準備を進める時期に休学を選択できた背景には、「周囲の環境」と「休学に対する捉え方」が大きく影響していたと思います。

多文化・国際協力学科には、留学や休学、海外ボランティアなど新しいことに挑戦している人が多く、そのような姿を日常的に見聞きする環境でした。そのため、私自身も何事にも「やってみよう」と前向きに考えられるようになっていました。さらに、人の挑戦に対して「楽しそう!」と一緒にワクワクしながら、全力で応援してくれる友人の存在が、休学という決断の大きな支えになりました。このような環境があったからこそ、休学を成長につなげる貴重な機会としてポジティブに捉えることができていたと感じています。

「伝わる」コミュニケーション

派遣当初のインドネシア語のレベルは、簡単な会話ができる程度でした。そのため、現地では意思疎通がうまくいかないことも多くありました。放課後のクラブ活動に参加したり、図書館で生徒と会話しながら、お互いの言語を教え合ったりと、少しずつ言語力を高めながら、伝え方も工夫ができるようになりました。

特に生徒とのコミュニケーションが深まったのが、文化祭に向けた練習期間でした。ひらがなやカタカナの読み書きから発音、抑揚、ソーラン節の振り付けなど、生徒によって課題や練習方法も様々でした。拙いインドネシア語や身振り手振りを交えながら、お互いに歩み寄りながら「伝わる」コミュニケーションをとることができたと感じています。

本番を終えた生徒の表情は、結果に関わらず達成感に満ち溢れており、少しでも生徒たちの自信や成長につながる関わりができたことを嬉しく感じました。また活動を通して、誰かと直接関わりながら、その人の成長や安心を支える仕事に携わりたいと考えるようになりました。

ソーラン節披露後の集合写真

一緒に練習してきた生徒たちとの写真

「当たり前」がない世界

海外で長期間生活することは、今回が初めての経験でした。文化や価値観の異なる環境での生活は、異文化をうまく受け止めきれないこともあり、異文化理解の難しさを痛感しました。

度々起こるスケジュール変更などの時間感覚の違いや、日々の生活・学校行事と宗教が密接に結びついていることなど、日本では「普通」や「当たり前」だと思っていた考え方が通用しない場面に何度も直面しました。

これまで自分では、「異文化理解ができている」と思っていましたが、実際にその環境の中で生活してみると、自分の無意識の価値観や固定観念に気づかされる日々でした。その中で、異文化を理解することは、単に違いを知り受け止めることではなく、自分自身の価値観や「正しさ」を知ることだと考えるようになりました。マイノリティーとして異文化の中で長期間生活し、自分なりに悩みながら向き合ったからこそ得られた発見でした。

自分と向き合う

これまで、様々な課外活動に取り組んできましたが、活動を客観的に振り返る機会は多くありませんでした。しかし今回の活動では、海外渡航前から帰国後まで、学外学修・キャリアセンターの方々とともに、自分を客観的に分析した上での目標設定や活動前後での自分の変化や成長、そして課題を言語化し振り返る活動を行いました。その過程で、自分でも気づけなかった変化や価値観を見つめ直すことができました。自分の中で整理し、向き合うことの重要性を実感しました。自己理解にもつながり、キャリア選択にも活かされていると感じています。

本活動で得た学びや気づきを大切にしながら、相手だけでなく自分自身の価値観や背景にも目を向け、丁寧に向き合う姿勢を大切にしていきたいです。

インドネシアでは、ピースの次は指差しポーズ!