2022年度の学外学修
コロナ禍の影響は続いていますが、22年度は過去2年間に比べて学外の学びも増えました。学外学修センターで企画したプログラムの多くは対面で実施でき、海外派遣も再開しました。オンラインの便利さもありますが、やはり実際に会ってコミュニケーションを図り、現地を訪問できることで学びが深められることに気づかされた一年でもありました。
課題解決型学習(PBL)
課題解決型学習(PBL)では日本航空の皆様と連携してプログラムを実施しました。同社とのPBLは4回目となり、学内でも人気の高いプログラムとなっています。今年度は「JALスタッフと考える地域の魅力と絆」と題し、同社が取り組む地域活性化事業をテーマに学生たちが地域の魅力を伝えて絆を深めるプランを構想しました。
JALが現在取り組んでいる「JALふるさとプロジェクト」で活動を行っている地域の中から取り組んでみたい地域を選び、グループに分かれて地域の課題をリサーチし、JALが貢献できる事業のアイデアを練りました。学生たちは、新潟、名古屋、松山、大分、奄美の課題と可能性について探究しました。レクチャーでは、実際にふるさとアンバサダーとしてご活躍されているJAL社員の方のお話を聞き、JALが地域活性化に取り組む意義や課題を学びました。中間発表では辛口のフィードバックももらいながらグループワークを重ね、最終日にはJAL社員の方が審査員となって講評をいただきました。学生たちにとっては初めて尽くしの体験で、学部学科も異なる仲間と一緒に企業や地域について調べ、プレゼン資料を作成し、大人数の前で発表することで成長につながったと思います。
また、22年度は3年ぶりに羽田地区への訪問も叶いました。
リニューアルされたJAL ミュージアムを訪問し、格納庫で整備の様子を見学させていただきました。
参加した学生からは、「目標達成のためにやり抜く力がこのプロジェクトを通して身につけることができたと思う」、「JALの職員の方とお話させて頂く機会があり、漠然としていた自分の将来を強く意識するようになりました」等のコメントが寄せられました。
インターンシップ
例年ご協力いただいているパソナグループ、富士通クラウドテクノロジーズ、ワーク&ライフインターンに加え、22年度は新たにJTP、三菱電機との連携が実現しました。
パソナグループのインターンシップに、今年は6人の学生が参加させていただきました。グローバル事業部で様々な業務に携わらせていただき、先輩社員のご指導の下でパソナグループが理念として掲げている「人を活かす」事業を経験させていただくことができました。
参加学生からは、「今回のインターンで社会貢献とビジネスを掛け合わせることの素晴らしさを学ぶことができた」、「多くの社会人の方の話を聞いたことで、自分の選択肢を広げられた」等の感想が寄せられ、学生の成長が感じられました。
2回目となる富士通クラウドテクノロジーズでのオンライン・インターンシップには8人の学生が参加しました。同社のプロダクトのついて学び、エンジニア業務の体験をさせていただきました。情報科学を専攻している学生だけでなく、文系の学生も参加できる貴重な機会となっています。参加者の一人からは、「文系の私が、技術職として働くために今何をすべきなのか、どのような能力が必要とされるのかを肌で感じることができました」との報告がありました。
毎年恒例となっているスリール株式会社主催ワーク&ライフ・インターンには、22年度は10人の学生が参加しました。
共働きで子育て世代の社会人の方たちからお話しを聞き、学生たちが自らのキャリア像を描く本プログラムは仕事と家庭の両立のリアルを学ぶ貴重な機会となっています。22年度はLVMH Perfumes & Cosmeticsの社員の方にご協力いただきました。オフィスを訪問させていただいて同社の事業について学ぶと同時に、社員の方からワークライフバランスの経験を直接お聞きする貴重な機会となりました。華やかなオフィス環境に学生たちは目を輝かせていました。
JTP
22年度は、卒業生との繋がりから得たインターンシップの機会もありました。IT企業 JTPに勤務されている本学卒業生からの紹介で、同社でのインターンシップに22年8月と23年2月の二度にわたって学生の受入れをしていただきました。品川御殿山にあるオフィスに通い、他大の学生と交じってグループワークをし、社員の方の前で事業提案する姿はとても頼もしく感じました。社員の方からも、「JTPのインターシップで取り組んでいただく案件は、普段社員の方が携わっているものと同等のレベルで、学生の皆さんも熱心に取り組んでくれました」とのコメントをいただきました。昨年9月に発行したニュースレター第12号に、本学学生を受け入れのお声がけをいただいた同社人事部の吉田さんに受け入れの様子についてご寄稿いただいていますので、是非お読みください。
三菱電機
三菱電機国際本部でのインターンシップも、実は卒業生からのお声がけがきっかけでした。受け入れに関しては何度も協議を重ね、本学学生にとっては大変貴重な機会を作っていただきました。インターンシップ実施前には、学内で企業研究ワークショップ(詳細はキャンパスレポートご参照ください)を開いていただき、グローバルな仕事をするための心構えを、ケーススタディを交えながら教えていただきました。多くの応募者から選抜された7人の学生が参加した実習は、同社が事業を通じて社会課題の解決にどのように取り組んでいるかを肌で感じる機会となり、静岡の製作所訪問も含め内容の濃いプログラムをご用意いただきました。実習最終日には学生たちは同社の豪州代表ほか多くの社員の皆さんの前で英語でプレゼンをしました。緊張していたものの、発表の様子は堂々としており、8日間ではありましたが学生たちの成長が感じられました。同社からは、実習後も手厚いサポートをいただき、本インターンシップに参加できなかった学生に対して1 dayプログラムをご提供いただいたり、社員の方に個別に進路相談に乗っていただいた学生もいました。実際に社員の方たちと交流し親身になってサポートしてくださる姿を見て、参加した学生たちは三菱電機のファンになったと同時に、この先の進路選択に重要な気づきを得られた体験となりました。
海外渡航
22年度前半はまだ海外渡航にも制限がありましたが、渡航を希望する学生には特別な学内手続きをし、万全な感染症対策をしたうえで海外活動することを認めたケースもありました。
フィリピン・セブ島でボランティア活動をした学生、カンボジアでインターンシップに参加した学生、アイルランド、マルタ、アラブ首長国連邦(UAE)で語学研修に参加した学生もいました。コロナ以前はギャップタームとなると多くの学生がボランティア、インターンシップ、サマースクールに参加するために海外に渡航するのが津田塾のカルチャーでもありましたが、コロナ禍の自粛で我慢の時期が長く続きました。ようやく海外渡航も可能となり、津田塾らしさを取り戻してきつつあります。渡航した学生たちが何事もなく無事に帰国しセンタースタッフも安心しました。
その他
学外での活動に加え、22年度は本学のキャリア教育にも学外学修センタースタッフが関わることなりました。学生が多角的な視点を持って進路選択ができるようにするため、内容を刷新し、「サステナビリティとこれからの企業」と題して昨今注目を集めているサステナビリティと企業の関係を学ぶ講義を実施しました。
初めての試みでしたが、住友商事、清水建設のご担当者からサステナビリティ領域の取り組みと課題について学び、企業の強みと展望について考える機会をいただけました。本講義によって、学生たちは企業評価の方法、グループワーク、プレゼンのスキルを磨くことができました。同講義の様子は、キャンパスレポートで詳しく報告していますので是非ご一読ください。